kuniko71st700’s blog

都立国立高校71期2700のブログです!!文化祭に向けての活動などを綴っています!!

劇選へ向けて、、演劇鑑賞その9

2人で万有引力身毒丸」を観て来ました。

f:id:sewohayami0124180:20170708011509j:image以下、感想↓
蜷川版とは全く違った。
良い意味で、違った。
蜷川版で魅せる詩的な美しさとは異なった、「説経節の主題による見世物オペラ」という副題の通りの、奇怪な身体表現と、琵琶や琴の奏でる猟奇的な音楽に魅せられた。
私には、2人の禁断の愛は成就したのかどうか分からなかった。むしろ男女としては成就しなかったようにも思えた。
前者では主人公ら2人の愛憎劇にフォーカスしているのに対して、後者では2人を取り巻く不条理に重点を置いていたように思えた。

「すべての登場人物が母に化身し、唇赤く、絶叫する。~そして、すべては胎内の迷宮に限りなく堕ちてゆき、声だけがこだましあって消えてゆく」(台本より)(パンフレットからの引用)
主人公身毒丸には、女性の顔が全て母(継母)のものに見える。二重の意味で、彼にとっての初めての女性が母だからだ。
つまるところ、主題は母胎信仰なのであろう。それは、題材となった説経節の時代からの普遍的な愛であり、寺山修司はそのテーマを、見世物復権の思いと共に、現代に再構築したかったのであろう。
だからこそ、心の奥底まで響き、重い跡を残すのだろう。

「足跡姫」のレポでのLの言葉を借りて言わせていただく。「身毒丸」のような陰惨な足跡でなくとも、人の本質にまで足跡を残せる演劇を、国高祭で作りたいものだ、と私は勝手に思っている。
余りにも無知な自分がそんな大それたことを言うなぞ恥ずべきことなので、演劇も、他の色々なことも勉強しなければいけない…

この公演以降で、再演の予定はないそうです。
念願の身毒丸寺山修司のオリジナルとほぼ同じ形で見れて本当に本当に幸せ者です。
口調を変えてみたんですけど、我ながら気持ち悪いですね!